海外移住するとなるとお金の移動方法に頭を悩ませる方も多いはず。
今回は従来の銀行の海外送金よりもお得であろうWiseとRevolutで同額の日本円をメキシコペソに両替し、BBVA口座に送金をしました。両替手数料・送金手数料等のコストを踏まえて、どちらがお得か試してみました。
実際に送金してみたところ、コスト面以外でも着金までの時間に大きく差が出たので、今後どちらのサービスをメインに使っていくかの判断材料ともなりました。
結果としてはどちらのサービスもアカウント維持費がかからないプランを選択をしているので、(Wiseは無料プランのみです)手数料が多くかかった方のサービスの解約はせずに、今後も両方のアカウント保有をして適宜使い分けする予定です。
しかしこれから海外移住を考えている方で、まだWiseやRevolutの送金・決済サービスのアカウント開設をしておらず、複数の新しいサービスを利用することが手間であったり抵抗がある方にとっては、手数料がより安いサービスを選択すると良いと思います。
送金検証の前にWiseとRevolutの違いを簡単に解説
両者の主な違い
月額 | 保有できる通貨の数 | 取得できる口座の種類 | |
Wise | 無料 | 50通貨 以上 | 米ドル、ユーロ、英ポンド、シンガポールドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドル、ルーマニアレイ、トルコリラ、ハンガリーフォント |
Revolutスタンダード | 無料 | 23通貨 以上 | なし |
Revolutプレミアム | 980円または 年間9,800円 | 23通貨 以上 | なし |
Revolutメタル | 1,980円または年間19,800円 | 23通貨 以上 | なし |
大きな違いはWiseは無料会員のみですが、Revolutは3つの会員プランに応じて外貨両替にかかる手数料等が無料になる限度額が発生する点です。
スタンダードプランの両替手数料が無料になる上限は75万円/月 です。
またWiseでは現地の口座情報を取得することができます。(10通貨のみ)
フリーランスの場合、米ドルなど円以外で報酬を受け取る場合がありますがメキシコにいながら米ドル口座で受け取ることができるので便利です。受け取りにかかる手数料は無料です。
私の場合カナダドルでの口座情報が必要だったのですが、特に面倒な手続き等不要でスマホ操作のみでカナダドル口座情報を取得できたのはとても便利でした。
Revolutにはこのような機能はありません。
メキシコ在住者としての使い方
※ちなみにWise、Revolutともに、メキシコペソは保有のみ対応しています。メキシコペソからのチャージはできません。
そのためメキシコ在住者としての両サービスの使い方としては、日本からメキシコの銀行口座に送金する際に使う・現地銀行口座をつくるまでの期間にデビット決済として使う・メキシコペソや日本円以外の外貨報酬受け取りに使う…etcとなります。
送金してみる
さっそく送金してみます。
Wiseは日本ユーザーの保有限度額が100万円、Revolutのスタンダードプランは月75万円まで両替手数料が無料(ニューヨーク外国為替市場の営業時間内)なので、今回の送金額はそれぞれ70万円としました。
さっそくマイナスポイントで残念ですが、まとまった金額をお得に送金する場合は、月を跨がせて数回に分ける必要があるため数か月~かかります。
一度にまとまった額を送金したい場合はRevolutの月額費が必要なプランの検討をしても良いでしょう。
ただし10か月以内のプレミアムプラン、メタルプランからのダウングレードには解約費がかかりますので、送金後すぐにダウングレードをする場合は解約費も考慮する必要があります。
急ぎでない場合は、手数料無料額を超えないように複数回に分けて送金するのが最もお得です。
Revolut有料プランのダウングレードにかかる解約費
プレミアムプラン:1,960円
メタルプラン:3,960円
まずは日本円→メキシコペソに両替
それぞれ70万円をペソに両替して、どちらのサービスで受取額が大きいか試してみます。
両替時刻はほぼ同時刻です。(誤差は5分程度)
Wise | Revolut | |
ペソ受取額 | 78900.46MXN | 79141.28MXN |
240.82ペソの差額で両替レート、手数料を踏まえるとRevolutが優勢でした。
240.82ペソ=2,117円(1MXN 8.79円で計算)
塵も積もれば山となる
両替したペソをBBVA口座に送金
次に先ほど両替したペソをメキシコの銀行口座BBVAに送金して、手数料がどちらがお得か検証します。
同金額に対する手数料の比較をしたかったので、RevolutではWiseよりも多い額79141.28ペソを受け取りましたが、ここでは両者ともに78900.46ペソを送金してみました。
Wise | Revolut | |
送金手数料 | 8.66MXN | 無料 |
Wiseでは8.66ペソ、Revolutでは無料だったので、送金にかかる手数料もRevolutが優勢でした。といってもWiseも銀行の海外送金に比べると格安です。
今回は同額を送金しましたが、Revolutで70万円を両替して受け取った79141.28ペソを送金しても手数料は無料です。
スタンダードプランの両替無料上限額である75万円以内の送金だとRevolutが圧勝という結果となりました。
BBVAでかかるリフティングチャージはどちらも無料でした
海外送金を受け取るには通常、受け取り銀行で着金手数料がかかるのですが、どちらも無料でした。
(BBVAのサイトに、海外送金の受け取りには送金額に関わらずUSD30がかかることが明記されています。)
というのもWiseやRevolutの送金システムは実際には海外送金をしておらず、メキシコ国内でそれぞれの送金サービスが保有しているアカウントから送金されているので、BBVAからしてみれば国内送金にあたるのだと思います。
Wiseホームページで分かりやすいイラストがありました。
ちなみにBBVAの場合、中継銀行にかかる手数料もかかっていませんでした。こればっかりは指定できないので、どこの銀行に送金するかによって中継手数料がかかるか否かは受け取るまでわかりません。
予想外にも着金時間に大きな差が!
まさかの着金時間に大きな差が出ました。
なぜ予想外だったかというと、今回の送金をする前に少額のテスト送金をしていたのですが、どちらの送金も送金手続き後10分以内にBBVAで着金が確認できていたためです。
Revolutではテスト送金時と同様10分以内にBBVAで着金確認できたのですが、Wiseでは待てど暮らせど送金自体が実行されていないようでした。
アプリの送金画面には本人確認に時間がかかっていると記載があります。
本人確認はアカウント開設時に終わっているし、数日前のテスト送金も爆速だったし、Wise内の送金残高は引かれているのに何故!
送金時の画面には当日送金が実行される予定であることが書かれていたのに、いつの間にか下のような表示に切り替わっていました。
なんと待つこと2営業日後(!)、送金原資と送金目的について質問があり、回答後に送金実行されました。
今回の場合収入源の資料提出は求められませんでしたが、今後求められる可能性も高そうです。マネーロンダリング対策なので仕方がないですね。
2日間でも従来の海外送金に比べれば格段に早いですが、どうしてもRevolutと比べてしまいます。
今回の検証で今後はRevolutメインに送金していくことに
今回はWiseでの送金に予想外にも時間がかかりました。
Revolutでも本人確認や収入証明書などの追加書類が今後必要になり、時間がかかる可能性は考えられますが、両替手数料、送金手数料、送金にかかる時間すべてにおいてRevolut優勢でした。
そのため75万円までの送金にはRevolutを主に利用し、それよりも多めに送金したいときはWiseも併用して送金するなど、どちらも便利なサービスなので利用用途や金額によって使い分けていくのが良さそうです!
銀行の海外送金部門で働いていた身としては、WiseやRevolutのサービスは顧客ファーストだと思うよ。
国内送金をしているだけなので送金事故も起こらないしね。
Revolutがお得なのは外国為替市場の営業時間内のみだから、
両替するとき時間チェックを忘れずに。
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